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猫アニメ

猫の問題行動に関する相談事例


No.93:家族の留守中に異常な怖がりになった仔猫


★★相談内容★★

初めまして拾った黒猫のオスのことで相談です。3ヶ月に雨が強い日に子猫を見つけて拾いましたまだ小さくて手のひらサイズくらいで痩せっぽい感じでした。育てるうちに違和感があって成長もかなり遅かったので心配になり病院に連れていくと肺病と診断されて今夜乗りきらないと死ぬと言われたんですが、乗り切って今では元気に走り回る日々です。治療法がないと言われてたので心配でしたが良かったです。犬(ジャックラセルテリア)も買っていてとても仲良しです。

ところが最近の事で、家を留守にしたんですね、家族3人と犬で出掛けたんです。帰ってくるとすぐに逃げ隠れなにかに怯えてる様子でベッドの下やクローゼットなど狭暗いところに隠れるんです。威嚇はしないんですが、キョロキョロと周囲を確認したり生活音にもビビっていたりと、何かしら敏感になって、脅えてるんです、何に怯えてるのか分からなくて、どうしたらいいか分かりません、とりあえず一緒に遊んではいるのですがやっぱり怯えてすぐ隠れてしまいます。どうしたらいいでしょう。

心当たりやきっかけと言えるかわからないのですがきっかけは確かその出かけた日の朝じっと目を合わせた時があったんです猫と私が、ちなみに私は高校生です。そして家に戻り猫と目が合うとすごくなにか怖がってるのが伝わるんです、それとも私が怖いのでしょうか?遊んではいたんですが、お父さんの目を見てもそうでした、なにか関係があるのでしょうか?、良ければアドバイスを貰えたら大変ありがたいです。



★★助言内容★★

猫さんにおいては、ご家族が留守の間に何かひどく怖い思いを経験した可能性がありますね。そのような場合によくあるのが、近隣での工事、暴風雨、落雷、地震、花火などと言った、猫さんがこれまで経験したことのないような大きな音や振動などに暴露したことによる恐怖です。

そのような環境刺激に対する反応の度合いは遺伝的に影響される猫自体の気質や、感受性の高い仔猫の時期にそのような刺激に晒された経験の有無などによっても違ってきますが、よほどのトラウマでもない限り病的と言えるほどの恐怖を引き起こすことは稀です。

上述したような理由からその程度に個体差はあるものの、しばらくはいつ何時また同じ脅威に晒されるかも知れないという不安や恐怖からおどおどした様子が続くでしょうが、時間が経つにつれ今の環境が安心できる場所であるということがわかれば徐々に正常な行動に戻るはずです。同じ刺激に何度か繰り返し晒されるだけでそれに慣れてしまうこともあります。

その過程において猫さんが怯えた様子を一切見せずにリラックスしているような時があれば、都度その望ましい行動へのご褒美としておやつを与えるようにするとその行動が強化され、怯えが消えるのが早まります。ただし気をつけなければいけないことは、猫さんが怯えている時に慰めようとして食べ物を与えたり遊んでやったり声をかけたりすることです。それをすると怯えるという望ましくない行動にご褒美を与えることになってしまうため逆効果です。怯えていたとしても何もせずそっと静かに見守っているだけで構いません。

それと今回の件で、ご家族の留守中に空き巣に入られたような形跡はないですよね。以前それが原因で恐慌を来した猫のケースを経験したことがありますが、その場合の恐怖の原因は、音や振動ではなく家に侵入してきた見ず知らずの人間だった訳です。一応ご参考までに。