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猫アニメ

猫の問題行動に関する相談事例


No.100:便秘改善の処置後異常に怯えるようになった猫


★★相談内容★★

うちは多頭飼い4匹で、9月に3歳になるオスが便秘のくせがあり、でも病院も大嫌いで、体重が7キロあるのと力が強いのとで私1人では病院もままならず、ネットで調べたら綿棒にオリーブオイルを染み込ませ刺激してあげる案があり、それを試した所、何かに怯えてる感じでずっとゆっくり周りを警戒しながら歩いたり、指1本触っただけで飛び上がって、驚いて飛び跳ねて逃げたりする様になりました。

もうどうしたらいいのかわからず、ネットで調べたら病気の疑いばかりが出て不安しかなくて、とにかく震えはないのですが警戒心と怯えがひどいです。突然飛び上がって私を蹴飛ばし逃げるので、私も唇と胸が切れたりしました。オリーブオイル綿棒で刺激したのが原因でしょうか?こんな時飼い主はどうすればいいのでしょうか?



★★助言内容★★

猫の中には、脚裏が濡れただけでそれが気になって脚先を挙上してしまったり、執拗に脚を振って水分を振り払おうとする猫もいますが、全てがそこまで神経質ではないまでも本来猫自体が皮膚の感覚が鋭敏な動物であることは間違いありません。

今回のケースでは、そういった皮膚と粘膜の境目にあって毛細血管や末梢神経が密集していてとりわけ敏感な肛門に、便秘の改善に効果がありそうだからとオイルを塗りつけたということですが、もし猫さんが人一倍神経質な性格の持ち主だったなら今回の行動は十分頷けます。更に知覚過敏症候群のような病的傾向があるようなら尚更のことです。

すなわち精製したオリーブオイル自体にはとくに刺激性はありませんが、それでも感覚が著しく鋭敏な猫の場合にはただでさえ敏感な肛門にそのような異物が付着すれば、その違和感に居ても立っても居られなくなるのは必至です。オイルなのですぐには吸収されず違和感が持続するため尚更でしょう。

もっとも精製されていないエキストラバージンオイルの場合は、それに含まれるオレオカンタールという成分が口腔粘膜に分布する感覚神経に作用して、機械刺激や冷刺激などの物理刺激を与えるため喉がヒリヒリすることがあると言われているので、肛門の粘膜でも同じ感覚刺激に晒される可能性がありその場合は違和感どころではすまないでしょう。

それは猫さんからすれば、何か得体の知れないものが肛門に付着して強い刺激を加えてくるといった恐怖に加え、またいつ何時それに取り憑かれるかも知れないことへの更なる恐怖や、あなたがそれに加担しているのではという疑念から警戒心の塊になってしまっている状況なのでしょう。

したがってこの場合オリーブオイルを塗るのはすぐにやめて、便秘傾向を改善するにはサプリメントなど経口的な方法に切り替えることをお薦めします。症状が軽度であればミネラルオイルを主成分としたペーストを舐めさせるだけで効果はありますが、重度の場合は基礎疾患の有無のチェックを含めかかりつけの動物病院にご相談ください。